2018/05/29
お久しぶりです、ブログ担当の春木です。5月におこなった「短編会」の活動報告になります!
さて、今回のテーマは
「ホームシック」「花粉症」「お手玉」
の3つでした。前回と同じように、この中から一つ以上選んで短編を書き、持ち寄って読み合う形式で行いました。(テーマがバラバラで、中々難しかったとは思います……。)
はじめに作品を読みあい、その後作品の講評、反省などをしました。参加、見学していただいた方、ありがとうございました!
ちなみに前回の記事は
こちらになります。
講評の内容は、以下にまとめておきます。
(意見などは要約&順不同で書いています。ご了承ください)
・千庄錦『あの地球(ホシ)が青くなる頃に』
テーマ「花粉症」「ホームシック」
作者より:花粉に人類を滅ぼさせたくなって、深夜テンションで書いた。最初の段落が書きたかった。主人公らはこの後、月まで行けてはいないと思う。
読者より:「花粉症」というテーマからこうくるか、という感じ。作者が分かりやすい。途中までで、マイノリティ側の逆転が起こるのかと思ったらそんなことは無かった。出だしがやたら壮大で、そこからの落差が面白い。短いうちに設定が練られていてすごい。
・栗城はる『いつだか羊の居た夢のはなし』
テーマ「お手玉」「ホームシック」「花粉症」
作者より:テーマがめちゃくちゃな組み合わせだったので、いっそ全部使ってめちゃくちゃな話を書こうとした。夢の中でありがちな、へんてこなのに納得してしまう感じが書きたかった。
読者より:描写が幻想的で、夢の中なので幻想世界のようにも感じる。ぼんやりした、不思議な読後感。児童書っぽい。羊が跳んでいるところは、いじめのような残酷な感じもする。
・百柴『おばあさんのお手玉』
テーマ「お手玉」
作者より:おばあさんの「おじゃみ」という言葉を意識した。響きがかわいいのと、おばあさんにとっての思い入れがあったから。ストーリーは実体験をもとに書いた。
読者より:実家を思い出した。暖かい話だけど、どこか寂しくて重い。しんみりした読後感。視点の関係で女の子自身の描写が無かったのが、ラストで補足されていて良い。忘れられてしまった時のショックの大きさ。
・露草『花粉娘』
テーマ「花粉症」「ホームシック」「お手玉」
作者より:「人類の敵」としての、花粉がしゃべる話を書きたかった。花粉にも、兄弟や親がいるという設定。最後に現れた人物は女の子のつもりで書いた。
読者より:世界観が独特で面白い。擬人化された花粉側からの視点、というのが斬新。花粉でお手玉というとサイズ感が謎だけれど、小説だからこその描写でもある。同じ「人類の敵花粉」でも『あの地球が青くなる頃に』とはだいぶ違って面白い。
・信楽頼光『たからさがし』
テーマ「お手玉」
作者より:構想二時間、制作一時間。久々にやったお手玉タイム一分半。餡子食べたくなってきた。
読者より:法事を退屈に感じる子ども、というどこか懐かしいような感覚。全体がまとまっていて、伏線もきれいに書かれている。ペンダントに対する二人の違いが表れていていい。ペンダントをお手玉の中に隠した、いとこの意図が書かれていないので、不思議に思える。
・にせ『拝啓、世界を救った君へ』
テーマ「お手玉」「ホームシック」
作者より:地球でお手玉する巨人、という発想からとんで書いた。子ども特有の、ごっこ遊びみたいな例えから生まれる自分ルールや、自分にとっては大したことのないことが相手にとっては意味の大きなものになっているというのを書きたかった。
読者より:出だしとメイン部分の語り手の変化に最後まで気づかないようになっていて、面白い。発想がすごい。地球とお手玉のスケールの対比、地球と月の対比があらわれていていい。
今回は前回の感想をふまえて、原稿に作者名を表記せずに、誰が書いたものか分からない状態で読み合いました。文体や内容で作者の癖が出ていたり、いつもと作風が違ったりして、なかなか面白かったです!
また今回は書式も統一したのですが、見開きにまとめると読みやすいという意見がありましたので、今後も少しずつ改善しつつ、同じような形式で続けていこうと思います。
さて最後に、次回(6月)のテーマは
「人生ゲーム」「傘」「嫉妬」
の三つとなります!
一つ以上選んで書く、というルールはそのままです。部員のみなさまの参加をお待ちしております!ヽ(*´`)ノ